題目: 企業資源計画(ERP)システム導入成功の鍵となる要因の研究―台湾日鉱株式会社を例として
DeLoneとMcLeanが1992年に発表した情報システム(IS)パフォーマンス評価フレームワークに基づき、ケース企業のERP情報システムにおける情報の品質、システムの品質、システム利用、ユーザー満足度、個人への影響、組織への影響という6つの側面のパフォーマンスを評価しました。本論文では財務面、企業プロセス面、学習・成長面、顧客面の4つの側面から、組織への影響の内容を解釈し、台湾企業がERP導入時に情報システムのパフォーマンスに影響を与える変数を分析しました。
本研究はERPシステムを導入した特定企業を対象とし、ERPシステムの統合能力、導入部門の準備状況、ERPベンダーの支援能力がパフォーマンスに与える影響を探ります。ケース企業におけるERPシステムのパフォーマンスへの影響を把握するため、本研究ではまず要因分析を用いてERP総合パフォーマンスの評価式を開発しました。その後、アンケート調査を実施し、変数がERP総合パフォーマンスに与える影響を測定しました。最終的に有効サンプル数は35件となり、相関分析および回帰分析を用いて仮説を検証しました。
統計分析ソフトウェアVisualPLSは生データのみ処理可能であり、その経路モデルは潜在変数と指標間の関係を図式化したモデルを基にしています。LVPLSX(pls.exe)を実行することで別のLVPLSインポートファイルを生成できます。また、VisualPLSは異なるデータ形式のインポートをサポートしており、結果は純テキストファイル、HTML形式、Excel形式で提示することが可能です。経路モデルの結果を直接表示することもできます。さらに、「ジャックナイフィング」や「ブートストラッピング」の2種類の再サンプリング方法を用いて経路の有意性を分析できます。
仮説の検証結果:すべての仮説が成立。これにより、ERPシステムの統合能力および導入部門の準備度がERPパフォーマンスに及ぼす影響が実証されました。